芥川賞と直木賞の違いは!?歴代受賞者とその選考基準は??
2020/12/28
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、第153回芥川賞に著作「火花」がノミネートされたとのこと。
芥川賞・直木賞といえば有名な文学賞。受賞すれば一生もので「芥川賞作家」「直木賞作家」とよばれ脚光を浴びることになることはわかっていても、そもそも「芥川賞」「直木賞」って何?
今回はそんなことについて調べてみた…
芥川賞と直木賞って!?
別々に出来上がった賞と思いきや、
実は同じ人が同じ時期に作った賞なのだ。
創設は直木三十五が逝去した1934年。(芥川龍之介は1927年逝去)
創設者は文藝春愁社社長の菊池寛氏で二人の作家と友人であり、二人の偉大なる作家への感謝と以降の文学発展のために創設されたのだ。文芸作品への最高峰の賞である。
芥川龍之介(1892-1927)代表作「羅生門」「鼻」など
直木三十五(1891-1934)代表作「合戦」「南国太平記」など
選考基準は!?
設立当初は彼らの文学の特徴に合わせ、新人発掘のための賞であった。
- 芥川賞は純文学作品(形式、芸術性)
- 直木賞は大衆文学作品(娯楽性、商業性)
選考会はそれぞれ年に2回行われ、選考委員を設けて行われる。上半期は7月、下半期は1月であり、上記内容に該当なしという結論もあれば、複数受賞という結論もある。
直木賞については、設立当初の新人発掘という意味合いから、現在ではある程度知名度のある中堅どころの作家が受賞する傾向に変わってきており、文学会の歴史ある賞として、文学会をリードしていく上での権威ある賞として姿を変えてきている。
選考委員
◆芥川賞
- 小川洋子
- 奥泉光
- 川上弘美
- 島田雅彦
- 高樹のぶ子
- 堀江敏幸
- 宮本輝
- 村上龍
- 山田詠美
の9名
◆直木賞
- 浅田次郎
- 阿刀田高
- 伊集院静
- 北方謙三
- 桐野夏生
- 高村薫
- 林真理子
- 東野圭吾
- 宮城谷昌光
- 宮部みゆき
- 渡辺淳一
の11名
有名な受賞作品…
どんな人が受賞しているのか
芥川賞
第34回:「太陽の季節」石原慎太郎(政治家、実弟は石原裕次郎)
第75回:「限りなく透明に近いブルー」村上龍
第130回:「蛇にピアス」金原ひとみ
直木賞受賞者
第42回:「梟の城」司馬遼太郎
第120回:「理由」宮部みゆき
第134回:「容疑者Xの献身」:東野圭吾
賞金と賞品は!?
同時に創設された二つの賞の賞金と賞品は、実は同じ。
賞品
ロンジンというブランドの懐中時計
賞金
副賞100万円
文芸作品として最高峰の賞としては少ないと意見もあるだろうが、この賞による名誉や知名度の向上は計り知れない効果をもたらすのである。要するに受賞した作家および作品のメッセージが世に届くのである。
何はともあれ、あるメッセージが世の中にどう反映されていくのかは、発信源になる人の思想もあれば、そのときの世の中の受け入れる文化も影響してくるはず。
要するに「時の人」になれるのかどうか…なのだ。