活性酸素吸収、抗酸化成分として注目の第7栄養素ファイトケミカルス!その力は?
2020/12/28
ポリフェノールやリコペン、カテキンなど植物が持つ有用成分の総称で、これまでの6大栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)に含まれないものであり、第7の栄養素とも言われている。ファイトケミカルはおよそ1万種類にもなると言われ、現在フラボノイド系でも3000種類以上は見つかっている。
植物が持つ力とは!?現代人に必要なのか?
人間は日に当たると日焼け(酸化)するので木陰に逃げることができるが、植物は逃げることができないので日焼けしないようになっている(抗酸化)。これがファイトケミカルの力。例えばリンゴの実は日頃太陽にさらされて育つが日焼けして黒くならない。だがリンゴの実を半分にカットして放置すると、すぐに中身は黒ずんで酸化してしまう。これはリンゴの皮に抗酸化成分が含まれており、酸化から実を守っている自然が生んだ力である。
ファイトケミカルは植物の皮や種に多く含まれており、色や香り、アクの成分でもある。ファイトケミカルの意味は植物由来の化学物質というものであり、植物のもつ重要な働きのひとつである。
動物はこういった抗酸化成分を多量に含む植物を食す(または植物を食す動物を食す)ことで抗酸化成分を体に取り入れてきた。この偉大なる食物連鎖のなかに自然のパワーが巧妙に仕掛けられていることに驚くばかりだ…
現在の地球上ではこの食物連鎖は完全に人間の力によって機能低下(人間都合)になっており、農薬によって大量生産された食物の実は、皮を剥いて食すことが大半で、皮や種やアクは人間の体に必要であるにもかかわらず、除かれてしまう運命。体に吸収されないことがほとんどなのだ(涙)。
実はこれらのファイトケミカルが現代人に大いに必要な栄養素であることが想像できる…
活性酸素って何??
活性酸素という言葉を最近ではよく耳にすることもあるかと思うが、現代では人間の老化や病気に深く関わっているものでもある。車で例えると、燃料補給した車はエンジンをかけた瞬間から、燃料を酸素と結合し動くエネルギーを持つが、逆に排気ガスが発生する。これと同じで人間もエネルギーを補給して酸素と反応することで動くことができるが、排気ガスの様な「活性酸素」が発生する。これらが過剰になることで体を酸化さる(錆びさせる)ことになる。
もともと活性酸素には役割があり、体内に侵入した細菌を攻撃したり、体内の酵素反応を促したり必要な役割はあるのだが、現代の生活のなかで、ストレスや飲酒、喫煙、放射能、電磁波、紫外線、加工食などにより、抗酸化機能が低下することで、過剰な活性酸素を発生させてしまい、これらが自身の細胞を攻撃=酸化=老化=病気のもとになることが分かってきている。また食の問題として前途のように本来動物が摂取すべき植物のファイトケミカル要素が体内に吸収されにくい状況もあり、現代人にとって警鐘をならす事態となっている。
各野菜がもつ活性酸素吸収力は以下のようだ。
出典:山梨県工業技術センター研究報告NO.20(2006年)
まとめ
野菜や果物がもつ力を理解すると自分たちの食事の大切さを感じずにはいられないものである。
今の現代人として、これら知識無しでは本来の動物的な自然の力を利用できない状況であり、より多くの人がこれら知識を共有できることを切に願う今日この頃である…